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「2024年度 組合員集会」を開催、総勢180名超が参加する盛会に
2025年4月22日、Spiral CapitalはTokyo American Clubにて「2024年度 組合員集会」を開催しました。本集会は、Spiral Capitalが運用する各ファンドのLPの皆さまに対し、ファンドの運用状況をご報告するとともに、グループ全体の今後の展望をお伝えする年次行事として実施しております。
懇親会には、Spiral Innovation Partnersが運用するCVCファンドのLP関係者や、グループの投資先スタートアップの皆さまにもご参加いただき、総勢180名を超える盛会となりました。
Spiral Capitalグループの歩みと展望
第一部では、Spiral Capitalグループの活動概要を紹介しつつ、Spiral Capital Japan Fund各号の運用状況・パフォーマンス、および足元のスタートアップ投資市場に対する当社の見解をご報告しました。
2024年度末時点におけるグループ全体のAUM見込みは700億円超となり、独立系ベンチャーキャピタルとして国内でも有数の規模に成長しています。1号・2号ファンドにおいてはIPO候補の進捗や大型調達・Exitの事例を紹介し、3号ファンドでは重点領域「BIG4」を中心とした投資活動が順調に進展していることをお伝えしました。
また、国内VC市場については、資金調達環境の変動やステージ別バリュエーションの傾向をデータに基づいて分析し、当社の投資判断のスタンスについてご説明しました。
さらに、グループ全体としての取り組みとして、麻布台ヒルズへのオフィス移転、ミッション・ビジョン・バリューの再定義、ESGポリシーの策定など、今後の成長と社会的インパクトの両立を見据えた基盤整備をご紹介しました。

起業家セッションから見る今後のスタートアップ像
第二部では、スタートアップの最前線で活躍する起業家の方々をお招きし、2つのパネルディスカッションを実施しました。
最初のセッションでは、「シリアルアントレプレナー」をテーマに以下の3名にご登壇いただき、Spiral Capital ジェネラルパートナーの千葉がモデレーターを務めました。
・佐藤 航陽 氏(株式会社スペースデータ 代表取締役社長)
メタップス創業者。現在は地球・宇宙の3Dデータを活用したARクラウド「OpenEarth」を展開。
・倉富 佑也 氏(Zevero Co-founder)
サイバーセキュリティ企業のExitを経て、英国にて脱炭素AI SaaS「Zevero」を共同創業。
・福島 良典 氏(株式会社LayerX 代表取締役CEO)
Gunosyを創業・上場後、法人支出管理SaaS「バクラク」の提供をはじめ、AIによる業務変革を推進。

本セッションでは、1度目と2度目の起業の違いや失敗からの学び、アンラーニングの重要性、再挑戦の原動力などについて語っていただきました。さらに、日本からユニコーン・デカコーン級スタートアップを輩出するために求められる支援のあり方についても活発な議論がなされ、LPの皆さまからは「質・熱量ともに群を抜いたセッションだった」との声が寄せられました。
続くセッションでは、「女性CxO」をテーマに以下の3名にご登壇いただき、Spiral Innovation Partners プリンシパルの吉田がモデレーターを務めました。
・宇井 吉美 氏(株式会社aba 代表取締役CEO)
介護現場向けIoTデバイスを通じて、ケア領域の業務改善に取り組む。
・成井 五久実 氏(株式会社インターホールディングス 代表取締役社長CEO)
複数のExit経験を経て、真空技術による食品ロス・GHG削減事業を推進。
・中村 亜由子 氏(株式会社eiicon 代表取締役社長)
オープンイノベーション支援プラットフォーム「AUBA」を運営。

本セッションでは、起業のきっかけ、資金調達や人材採用の工夫、家庭との両立など、リアルな課題に向き合いながら事業を進める姿に加え、投資家や大企業に期待することについても多角的に意見が交わされました。また、女性起業家がもたらす経済・社会的インパクトについても、データを交えて議論を深めました。
いずれのセッションも、起業家個人の経験に根ざした濃密なインサイトに富み、今後の投資判断やエコシステム構築における多くの示唆を得られる貴重な機会となりました。
多様な交流が生まれた懇親会
第三部の懇親会では、Spiral CapitalのLPに加え、Spiral Innovation Partnersが運用するCVCファンドのLP、投資先の起業家や経営陣にも多数ご参加いただき、約2時間にわたり活発な交流が行われました。
会場では、投資先であるWAKAZEの新商品・スパークリング日本酒を提供し、手土産としてスナックミーのオリジナル菓子セットをご用意しました。交流とあわせ、投資先が生み出す多様な価値を体感いただける機会となり、参加者の皆さまからも好評をいただきました。
締めくくりには、アドバイザーの平野正雄氏(元マッキンゼー日本支社長)による閉会の挨拶が行われ、LPとスタートアップ双方への温かく力強いエールの言葉が贈られました。

今回の組合員集会は、単なる運用報告にとどまらず、Spiral Capitalグループのミッション「Spiral into Growth」に込めた想いが、ひとつの形になったと感じています。
スタートアップを“成長の渦”に巻き込み、ステークホルダーと共にその渦をさらに大きくしていく——今後もグループ一丸となり、LPの皆さまと共に、スタートアップの成長支援を通じて産業と社会の変革を推進してまいります。